4年ほどもかけてやっとカラーに到達したパーム。そこまでかかったのも,その思想ゆえ。その思想が真実であったことが,今の現実を作っている。
パーム・コンピューティング社は22日,カラーディスプレーを搭載したパーム3cを発表した。パーム3cは,バッテリーで最大2週間動作する。アナリストたちは,バッテリー時間への不安や,カラー対応のアプリケーションがユーザーを惹きつけるか危惧しているが,マイクロソフト社のポケットPCが発売される夏からが競走の本番となろう。
パームの,独走に近い市場シェアにはいくつかの要因があると思われる。なによりも使いやすいインターフェイスもあるだろう。そして,決してミニPCではないし,PCになる必要もないという確たる思想が感じられる。ポケットPCがウインドウズCEと比べて,どのような路線変更を行なうのか知らないが,ポケット「PC」といっている時点で,ユーザーの意識との間に,差異を感じなくもない。
手のひらにPCは乗らない。また,乗せる必要もない。役割の違いは設計の違いになる。PCとはまったく違うメモリの運用や,ファイルという存在を考えずにデータを使いやすく取り込む形態は,PCになることを考えていない証し。デスクトップ機とデスクトップOSのミニチュア版よりも,使いやすいものがある,ということをきちんと把握していた。その思想の戦いは,これからも続く。
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